助言で終わらせず実装まで担当する。「新規事業AIリーダー」を提供する株式会社wrenにインタビュー

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株式会社wrenは、広告クリエイティブ生成SaaSのadCre.aiや、問い合わせ対応AIコパイロットのCS Copilot、問い合わせ対応をAIと専門オペレーターで代行するゼンナゲCSなど、AIを活用した複数のプロダクト・サービスを自社で開発・運営している会社です。

新規事業AIリーダーは、同社が自社事業の立ち上げや運営で培ってきたAI活用・開発のノウハウを、社内にAIの専任担当者やエンジニアがいない企業へ提供するサービスです。業務の棚卸しから研修、実装、運用支援まで一貫して対応し、ツールの紹介や座学だけで終わらせず、その企業の実際の業務にAIを組み込み、社内で運用できる状態を目指します。

今回は、新規事業AIリーダーが、助言を中心とするアドバイザリーと、開発を請け負う受託開発の中間でどのような価値を提供しているのか、そのサービス設計やAI活用に対する考え方について、株式会社wren 代表取締役の福島柊哉氏にお話を伺いました。

福島柊哉氏 プロフィール

福島柊哉氏
株式会社wren 代表取締役

上智大学理工学部情報理工学科卒。2023年にサイバーエージェントへ新卒入社し、プロダクト開発や社内のAI活用推進に従事。配属先では開発責任者も務める。独立後、2026年1月に株式会社wrenを設立。AI SaaSの開発・運営をはじめ、AI活用支援やBPO事業など複数の事業を展開している。AI活用や会社経営について、noteで連載を行っている。

新規事業AIリーダー

目次

事業概要とサービス立ち上げの経緯

貴社の事業概要と、今回ご紹介いただくサービスの位置づけを教えてください。

株式会社wrenは、AIを活用したSaaSや企業向け支援サービスを自社で開発・運営しています。広告クリエイティブ生成SaaSのadCre.ai、問い合わせ対応AIコパイロットのCS Copilot、問い合わせ対応をAIと専門オペレーターで代行するゼンナゲCSなどを提供しています。

今回ご紹介する新規事業AIリーダーは、そうした自社事業の開発・運営で培ってきたAI活用の進め方を、社内にAIの専任担当者やエンジニアがいない企業に提供するサービスです。

AI業務棚卸し診断を入口として、研修や実装、継続的な伴走支援まで対応しています。ツールの紹介や座学だけで終わるのではなく、その会社の実際の業務を題材にエンジニアが仕組みを構築し、最終的には社内で運用を回せる状態を目指します。

位置づけとしては、助言を中心とするアドバイザリーと、開発そのものを請け負う受託開発の中間です。アドバイスだけではなく実際に手を動かして仕組みを作り、その作り方や運用方法を社内に残すところまでを支援範囲としています。

このサービス・事業を立ち上げるに至った経緯を教えてください。

自社で複数の事業を少人数で立ち上げ、運用していると、限られた人数で業務を回すために自然とAIを活用する必要が出てきます。そのため弊社では、さまざまな業務にAIを深く組み込みながら事業を運営してきました。

また、クライアント企業とお話しする中で、人手不足や責任者の多忙によって、既存事業のグロースや新規事業を十分に進められず、企画が止まったままになっているケースを多く目にしてきました。

そこで、自分たちが実践してきたAIと新規事業を組み合わせた事業運営のノウハウを提供することで、こうした企業の課題を解決できるのではないかと考えたことが、サービス立ち上げの背景です。

私を含め、弊社ではエンジニアリングを強みとして事業を進めています。一般的なAIコンサルティングのように助言や知識提供だけを行うのではなく、AIやシステムを理解した技術者が実際に手を動かし、実装から課題解決まで取り組める点が強みだと考えています。

解決する課題とターゲット

貴社のサービスが解決しようとしている課題について教えてください。

主に3つあります。

1つ目は、研修やツール導入だけで止まってしまうことです。

AIツールの使い方は分かったものの、自社業務のどこに、どのように組み込めばよいのかが決まらず、結果として日常業務が以前と変わらないケースがあります。

2つ目は、AI活用について判断できる人が社内にいないことです。

さまざまなAIツールやベンダーから提案を受けても、その内容が妥当なのか、自社に本当に必要なのか、提示された金額が適正なのかを判断できる人がいなければ、なかなか意思決定できません。その結果、検討だけが長期化してしまいます。

3つ目は、外部に依頼するほど社内にノウハウが残らなくなることです。

システムの実装をすべて外部へ委託すれば、動くもの自体は手に入ります。一方で、運用や改修のたびに外部への依頼が必要になり、依存関係が固定化してしまう場合があります。

新規事業AIリーダーでは、実際に仕組みを構築して見せるだけでなく、その作り方や運用手順も社内に残すことで、こうした課題の解決を目指しています。

どのような企業がターゲットですか?

AIの専任担当者やエンジニアが社内にいない、非IT業種の中小企業を主な対象としています。

規模としては、数十名から数百名程度の企業で、経営者や管理部門の責任者がAI活用の推進も兼務しているようなケースを想定しています。

業種そのものは限定していませんが、メール対応、問い合わせ対応、報告資料の作成、データ集計など、一定の手順で繰り返している業務が多く残っている企業ほど、AI活用による効果を出しやすいと考えています。

実際に、従業員数200名を超える上場企業の子会社からご依頼をいただいた事例もあります。その企業では、全社的な業務負荷を軽減し、AI活用によって平均残業時間を10%削減することを目標として取り組みを進めています。

サービスの特徴と提供の流れ

サービスの特徴・強みを教えてください。

大きく3点あります。

第一に、実装まで担当することです。

研修や伴走支援では、その会社の実際の業務を題材として、エンジニアがAIをどのように組み込めるのかを具体的に示しながら、実際に仕組みを構築していきます。

第二に、作り方や運用方法を社内に残すことです。

成果物として動く仕組みを提供するだけではなく、運用手順書や引き継ぎ用のドキュメントも整備します。弊社の支援が終了したあとも、可能な限り社内で運用や改善を続けられる状態を目指しています。

標準的には3〜6か月程度での自走を視野に入れており、外部への依存を長期的に固定化させないことを重視しています。

第三に、技術者が実務まで担当するサービスであることです。

AIについて説明するだけではなく、事業会社でプロダクト開発やAI活用に関わってきた技術者の知識と実装経験を生かし、実際の業務効率化につなげることを重視しています。

サービス提供の流れを教えてください。

大きく3段階で進めています。

【1】AI業務棚卸し診断
初回無料・90分・オンライン対応

まず、部署や担当者ごとの業務フローを整理します。そのうえで、AIに任せられる作業と、人が引き続き担当すべき作業を切り分け、自動化や効率化が可能な業務を特定します。

診断後には、現状とAI導入後の業務イメージや想定される削減工数などを整理した診断レポートを作成します。

【2】AI導入研修パッケージ
3〜4週間・半日×2〜3回+環境セットアップ伴走

経営者や現場社員を対象に、その会社の実際の業務を題材としたハンズオン形式の研修を実施します。

一般的なAIツールの操作方法だけを学ぶのではなく、自社業務でどのようにAIを活用するのかを実践しながら学ぶことを重視しています。

企業ごとのAI活用マニュアルや自動化テンプレート、社内でAI活用を推進していくための仕組みなどを整備します。

【3】月額での伴走支援

診断で整理した業務に実際にAIを組み込み、現場で運用できる状態になるまで支援します。

定期的なレビューやチャットでの相談対応なども行いながら、社内での運用定着を進めます。

一定期間ごとに、自社のみで運用できる状態になったため支援を終了するのか、別の業務や新しいテーマに取り組むのかを判断していただきます。

なお、実際の支援内容は企業の課題や体制に応じて柔軟に設計しています。

料金体系について、公開できる範囲で教えてください。

AI業務棚卸し診断は、初回無料で実施しています。

その後の研修や伴走支援については、対象となる業務や企業の体制、必要な稼働量などに応じて個別にお見積りしています。

月額での伴走支援は準委任契約を基本とし、最低3か月からの契約となります。短期間で成果物だけを納品して終了するのではなく、一定期間実際の業務に入りながら、社内で運用できる状態を作ることを重視しています。

導入事例と今後の展望

印象に残っている導入事例を教えてください。

現在進行中の事例として、上場企業の子会社におけるCS部門の支援があります。

この取り組みでは、平均残業時間を10%削減することを成果目標として設定し、業務の棚卸しから、AI化できる業務の検討、設計、実装まで進めています。

また、全社員を対象として、習熟度に応じたレベル別のAIツールハンズオン研修も実施しました。

その結果、まずはAIツールをまったく使えていない社員がいない状態を作ることができました。

現在はその次のフェーズとして、実際の業務にAIを組み込みながら、最終的な成果目標である残業時間の削減につなげる取り組みを進めています。

今後の展望と、サービスを通じて実現したい未来について教えてください。

弊社では、すべての人にAIの恩恵を届けることを掲げて事業を行っています。

コンピューターは、人間とは比較にならない速度と精度で大量の情報を処理できます。この力をどこまで仕事に生かせるかを突き詰めることで、従来の人を中心とした業務の進め方では実現できなかったことも可能になると考えています。

これまでのコンピューターは、決められた手順に沿った処理は非常に得意でした。一方で、入力が曖昧だったり、不確実性を含んでいたりすると対応が難しいという特徴もありました。

そこにAIが登場したことで、コンピューターがより柔軟に情報を扱えるようになり、これまで以上に幅広い業務を任せられる可能性が生まれています。

AIによって、仕事のあり方そのものが大きく変わるタイミングだと考えています。

弊社もここ数年、AIと深く関わりながら事業を立ち上げ、知見を蓄積してきました。今後もその知見をお客様へ提供するとともに、単なるツール導入支援ではなく、より深いビジネス上の課題をAIで解決できるパートナーであり続けたいと考えています。

AI導入を検討している企業へのメッセージ

AI導入を検討中の企業担当者の方に向けて、メッセージをお願いします。

まずはAIを使い続けてほしいと考えています。

AIは非常に速いペースで進化しており、先月まではできなかったことが、モデルやサービスのアップデートによって突然できるようになることも珍しくありません。

一度試してうまくいかなかったからといって諦めるのではなく、今ならできるのではないかと定期的に考え、試し続けることが重要だと思います。

株式会社wrenの企業概要

会社名 株式会社wren
代表者 代表取締役 福島柊哉
所在地 〒107-0061 東京都港区北青山1-3-3 三橋ビル3階
設立 2026年1月9日
事業内容 AIを活用したSaaSの企画・開発・運営、およびAI活用支援
公式サイト https://wren.co.jp/

編集後記

新規事業AIリーダーの特徴を端的に表しているのが、助言を中心とするアドバイザリーと、開発を請け負う受託開発の中間に位置するサービス設計です。

AI研修やツール導入を行っても実際の業務に定着しない、AI活用について判断できる人材が社内にいない、外部へ実装を任せるほどノウハウが社内に残らない。株式会社wrenでは、こうした企業が抱えやすい課題に対し、技術者が実際の業務に入り、AIを組み込んだ仕組みを構築することで対応しています。

さらに、仕組みを作って終わるのではなく、運用手順書や引き継ぎ用のドキュメントまで整備し、最終的には社内で運用できる状態を目指している点も特徴です。外部支援への依存を固定化するのではなく、自社でAI活用を継続できる状態を作ることがサービス設計の軸となっています。

現在進行中の上場企業の子会社における事例では、全社員を対象としたハンズオン研修を通じて、AIツールをまったく使えていない社員がいない状態を実現。そのうえで、平均残業時間10%削減という具体的な成果目標に向けて、業務の棚卸しからAIの設計・実装へと取り組みを進めています。

AIの専任担当者やエンジニアが社内におらず、AIを導入したいものの何から手を付ければよいか分からない企業にとって、まず自社業務を整理し、AIを活用できる領域を明確にすることは有効な第一歩となりそうです。

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発行:一般社団法人日本AI導入支援協会

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