株式会社Saixは、経営者に伴走するAI経営顧問・AIコンサルティングを中核に、生成AI研修、AI開発導入支援、AIエンジニア伴走支援、AIマニュアル構築支援など、企業のAI活用を教育から実装・定着まで支援するサービスを展開する会社です。自社のコンテンツ制作やマーケティング、業務設計にもAIを取り入れ、そこで得た実践知を顧問や研修として企業に届けています。AI経営顧問では、AI活用の意思決定から実装・社内定着までを月額制で支援しており、AI導入・経営支援の実績は東証プライム上場企業を含む100社以上にのぼります。
今回は、AI経営顧問が経営課題起点で何を解こうとしているのか、そしてAI活用の定着までをどのように設計しているのかについて、株式会社Saix 代表取締役社長の杉田海地氏にお話を伺いました。
杉田海地氏 プロフィール
株式会社Saix 代表取締役社長
同志社大学在学中に法人向けマーケティング事業を立ち上げ、企業のSNS運用や広告設計を手がける。卒業後は株式会社リクルートに入社し、Growth Marketingとして国内最大規模のHRプロダクトの売上拡大を担当。2025年10月に株式会社Saixを設立し、代表取締役を務める。
現在は、東証プライム上場企業を含む100社以上のAI導入・経営支援に携わるほか、登録者48,000名超のYouTubeチャンネル かいちのAI大学を運営。AI研修の受講者は延べ4,000名以上にのぼる。TechTrends、@Livingなどのメディア掲載実績も持つ。
Saixが解く課題とサービスの位置づけ
貴社の事業概要と、今回ご紹介いただくサービスの位置づけを教えてください。
Saixは、経営課題・企業課題を解決するパートナーです。AIの会社と紹介されることも多いのですが、私たちにとってAIは武器の一つで、解きたいのは売上・コスト・組織といった経営課題そのものです。
現在は、生成AI研修、AIコンサルティング、AI開発導入支援、AIエンジニア伴走支援、AIマニュアル構築支援の5つのサービスを展開しています。
今回ご紹介するAI経営顧問は、AIコンサルティング領域の中核となるサービスです。AI活用の意思決定から実装・社内定着まで、経営陣とともに月額制で支援しています。
このサービス・事業を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
原点は大学時代です。同志社大学在学中に法人向けのマーケティング事業を立ち上げ、良いものを作っても、届かなければ意味がないという壁に何度もぶつかりました。ちょうどChatGPTが登場し、世界が急速に変わり始めた時期です。テクノロジーは素晴らしいスピードで進化しているのに、現場の経営者には届いていない。学生時代に感じた伝え方の壁が、AIでも立ちはだかっていると感じました。
卒業後に入社したリクルートでは、上司にもらった言葉が事業観を根本から変えました。農作物と農業の機械と同じで、社会にこれがないと回らないという状況があって、初めて事業が成立するという考え方です。
自分のやりたいことを追いかけるだけでは小さく終わる。社会になくてはならない装置を作らなければならない。では、今の日本に本当に必要な装置は何か。私にとっての答えがAIの社会実装でした。
2025年10月に株式会社Saixを設立し、AIを使ってAIを広めることを事業コンセプトに掲げました。自分たち自身がコンテンツ制作もマーケティングも業務設計もAIで行い、その実践知を顧問や研修として企業に届ける。この循環が私たちの原点であり、今も最大の強みです。
貴社のサービスが解決しようとしている課題について教えてください。
入口のご相談は、AIを導入したいが何から始めればいいかわからないというものがほとんどです。ただ、その奥には構造的な問題が3つあると考えています。
1つ目は、ツール導入や単発研修だけで終わり、2週間後には以前の業務に戻ってしまうことです。研修の中身であるWhatは磨かれていても、企業ごとのカルチャーや業務に合わせた定着の進め方であるHowの設計が抜けているためです。
2つ目は、経営者自身がAIを使えていないことです。トップが理解していないと社内への指示が曖昧になり、推進が止まります。
3つ目は、AI導入がプロジェクトとして設計されず、担当者任せのまま自然消滅していくことです。
多くの支援会社はツールの使い方を教えるところまでで終わります。定着の設計と経営の意思決定まで踏み込む会社はまだ少なく、ここが業界の中で手薄になっている領域だと考えています。
ターゲットとサービスの強み

どのような企業がターゲットですか?
中心は従業員30〜300名規模の中堅企業の経営者・役員の方々です。業種を限定せず、さまざまな企業をご支援しています。特にフィットするのは、経営者自身にAIで会社を変えたいという意思があり、一方で社内に推進役がいない企業です。
逆に、とりあえずツールだけ入れたい、現場に任せて経営層は関与しないというケースには向きません。AI活用の優先順位づけは経営の意思決定そのものなので、経営層が関与しないまま成果を出すことは難しいとお伝えしています。
サービスの特徴・強みを教えてください。
強みは3つです。
1つ目は、経営課題起点であることです。AIで何ができるかから考えるのではなく、この会社の経営に何が必要かから考え、売上やコストの言葉で話します。代表自身がリクルートでのグロースマーケティング経験を持ち、自社の経営も行っているため、技術起点ではなく経営起点で組み立てられます。
2つ目は、自社実践の一次情報であることです。私たちは自社のコンテンツ制作・マーケティング・業務設計そのものをAIで回しており、お客様にお渡しするのは、検索すれば出てくる一般論ではなく、自社とクライアントの現場で検証済みの実践知です。教える内容と自社の実務が一致していることが、説得力の源泉だと考えています。
3つ目は、定着までを設計することです。知識であるWhatだけでなく、進め方であるHowに投資し、ワークシートを活用しながら目標、実行、検証、改善のサイクルを回し、成果をBefore/Afterの数字で計測します。Howは企業ごとの観察と現場対応の蓄積からしか生まれないため、模倣されにくい部分です。
提供の流れと料金
サービス提供の流れを教えてください。問い合わせから提供開始後まで、どのように進みますか?
まずお問い合わせ後、オンラインの無料相談で現状の課題を伺います。次に業務のヒアリング・棚卸しを行い、AI活用の候補と優先順位を整理します。そのうえでプランをご提案し、ご契約となります。
ご契約後は、初期セットアップとして業務分析、目標となるKGI・KPIの設計、AI環境の構築を行います。以降は月次の運用サイクルに入り、定例ミーティングとチャットサポートを通じて、実装、検証、改善を回し続けます。
ライトは月1回、スタンダードは月2回、プレミアムは月4回の定例ミーティングが基本です。最低契約期間はプランにより3〜6ヶ月となっています。
クライアント側にお願いするのは、経営者ご本人のミーティング時間と、実務がわかる方の同席です。導入の実作業についてもプランに応じてSaixが担当するため、社内に専任担当者を置かずに進めることも可能です。
料金体系について、公開できる範囲で教えてください。
AI経営顧問・AIコンサルティングは、月額20万円からの料金体系です。方向性の助言を中心とするライトは月額20万円から、隔週で実装まで伴走するスタンダードは月額30万円から、Saix側が実装まで担当するプレミアムは月額65万円からとなっています。いずれも税別で、別途初期セットアップ費用が発生します。
研修、AI開発導入支援、AIマニュアル構築支援などについては、内容や規模に応じて料金が設定されています。
導入事例と実績

印象に残っている導入事例を教えてください。
東証プライム上場の株式会社北の達人コーポレーション様では、AIエージェント研修をご提供し、法律・表記ルール関連のリサーチ業務にかかっていた時間が数時間からほぼゼロになりました。議事録作成やタスク管理についても自動化が実現しています。
飲食店経営支援を行うリディッシュ株式会社様では、全4回の研修プログラムを通じて月間1,278時間、削減率52%の業務削減を実現し、AIツールを週3日以上使う社員の割合は66.7%から100%になりました。
印象的なのは、数字そのものより現場の変化です。リディッシュ様では、社員の皆さんが自分の業務におけるAIの活用方法を70以上も自ら生み出してくれました。AIは自分には関係ないと考えていた方の表情が、実際に手を動かした瞬間に変わる。この瞬間に立ち会えることが、この仕事の醍醐味です。
導入実績について教えてください。
AI導入・経営支援の実績は100社以上です。東証プライム上場企業から中小企業まで、幅広い業種・規模の企業をご支援しています。
また、AI研修は延べ4,000名以上に実施しており、経営層から現場担当者まで、それぞれの立場や業務に応じたAI活用支援を行っています。
今後の展望とメッセージ

今後の展望と、サービスを通じて実現したい未来について教えてください。
目指しているのは、テクノロジーの恩恵を全ての人が享受できる社会です。AIの進化スピードと、現場に届いている実感の間には、まだ大きな溝があります。
この溝を埋め、人がやりたくない作業に追われる時間を減らし、一人ひとりが本来の才能を発揮できる仕事に集中できる環境をつくりたい。その結果として日本の生産性が上がり、新しい価値が生まれる循環を、この会社から始めたいと考えています。
事業としては、AI経営顧問を軸に据えながら、支援の中で磨かれた型をより多くの企業に届けるためのプロダクト展開も構想しています。
AI導入を検討中の企業担当者の方に向けて、メッセージをお願いします。
最初に考えていただきたいのは、どのツールを入れるかではなく、どの業務を、誰が、なぜやっているかです。AI導入の成否はツール選定だけではなく、業務の棚卸しと優先順位づけによって大きく左右されます。
もう一つ、経営者・責任者の方ご自身がAIを触ってみてください。おすすめは、資料を作らせるような生成だけではなく、ご自身の案や判断をぶつけて確認する使い方です。論点の抜けを指摘させる、案のリスクを洗い出させる。壁打ち相手として使うと、AIが自分の仕事の中に入ってくる感覚がつかめます。
避けるべきなのは、現場への丸投げと、単発の研修だけで満足してしまうことです。導入して2週間で元に戻ってしまうのであれば、社員の意志だけでなく、導入・定着の設計に原因がある可能性があります。小さくてもよいので、Before/Afterを数字で測れる形で始めてみてください。
社名Saixに込めた思い
社名のSaixは、才能を表す才と、彩りを表す彩のSaiに、指数関数を意味するxを掛け合わせた造語です。AIで人の才能を引き出し、指数関数的に伸ばすパートナーでありたいという思いを込めています。
私たちはAIの会社である前に、経営のパートナーでありたいと考えています。AIで何ができるかではなく、この会社の経営に何が必要かから考える。この順番を、これからも守り続けます。
株式会社Saixの企業概要
| 会社名 | 株式会社Saix |
|---|---|
| 代表者 | 杉田 海地 |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋人形町 |
| 設立 | 2025年10月 |
| 事業内容 | 企業の経営変革パートナー事業(AI顧問・伴走コンサルティング)、AI人材育成・法人研修事業、AI実装・業務再設計の支援事業、AIマニュアル作成ツール AIマニュアルの開発・提供事業 |
| 公式サイト | https://saix.co.jp/ |
編集後記
杉田氏の話で一貫していたのは、AIは武器の一つであって、解きたいのは経営課題そのものという順番でした。多くのAI支援がツールの導入や使い方の説明で終わるなか、Saixは知識であるWhatだけでなく、定着の進め方であるHowに投資し、目標から実行、検証、改善までのサイクルを回しながら成果をBefore/Afterの数字で計測しています。
株式会社北の達人コーポレーション様では、法律・表記ルール関連のリサーチ時間が数時間からほぼゼロになり、リディッシュ株式会社様では月間1,278時間、52%の業務削減を実現しました。こうした成果の背景には、AIツールそのものだけでなく、どの業務に導入し、どのように定着させるかまで設計する考え方があります。
もう一つ印象に残ったのは、経営者自身がAIに触れることの重要性です。何かを生成させるだけでなく、自分の判断やアイデアを確認する壁打ち相手として使うという提案は、すぐに実践できます。
AIを導入したものの活用が続かなかった企業ほど、次のツールを探す前に、一度業務を棚卸しし、どこを変えれば経営上の成果につながるのかを整理することが重要なのではないでしょうか。





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