ナレフルチャットは、特許取得のプロンプト自動生成機能や、社内マニュアルをアップロードするだけでノーコードでRAGを構築できる仕組みを備えた、法人向けの生成AIプラットフォームです。ChatGPT・Claude・Geminiなど複数のAIモデルを一つのプラットフォームで使い分けられます。料金は企業単位の定額制で、月額40,000円(税抜)から。ユーザー数無制限で、全社員が利用できます。利用企業数は1000社、ユーザー数は60,000、直近の継続率は98.3%に達しています。
今回は、ナレフルチャットが掲げる全員活躍AIというコンセプトと、生成AIを一部の社員だけでなく組織全員に浸透させる仕組みづくりについて、CLINKS株式会社 常務取締役 / ナレフル AI 推進部 事業部長の高野拓郎氏にお話を伺いました。
高野 拓郎氏 プロフィール
CLINKS株式会社 常務取締役 / ナレフル AI 推進部 事業部長
2007年に当社へ新卒入社。スマートフォンアプリ黎明期に、同社でアプリ開発事業を立ち上げる。金融・不動産・ソーシャルゲームなど、多岐にわたる数十件のプロジェクトでプロジェクトマネージャーを歴任。現在は企業のDX戦略における生成AI活用を専門領域とし、業種・業界の垣根を超えたAI活用の普及と、ユーザーの心に響く生成AIサービスの実現に取り組んでいる。AI BUSINESS CONFERENCE、Managyランスタ WEEKなど、AI活用をテーマとしたカンファレンスへの登壇実績も多数。
ナレフルチャット

ナレフルチャットは、CLINKS株式会社が提供する法人向けの生成AIプラットフォームです。企業がクローズド環境でセキュアに利用できる対話型生成AIツールで、OpenAIやGoogleなど複数の生成AIモデルに対応しています。生成AI初心者でも使いこなせる直感的なインターフェースを備えており、プロンプト共有機能により効果的なAI活用ノウハウを組織全体に浸透させることができます。セキュリティを重視しつつ生成AIの活用を全社的に推進したい企業を主な対象としています。
事業概要とナレフルチャットの位置づけ
貴社の事業概要と、今回ご紹介いただくサービスの位置づけを教えてください。
CLINKS株式会社は、アプリ・Webシステム開発からインフラ構築・運用保守、ITエンジニア派遣、IT研修まで、企業のITに関する経営課題をワンストップで解決するITアウトソーシング企業です。
近年はDX・AI領域にも注力しており、2024年10月には生成AIを積極的に導入する企業 AI DRIVEN COMPANYを宣言。自分たちが使えないものは、お客様に提案しないという考えのもと、まず自社で徹底的にAI活用を実践してきました。社員全員が生成AIを扱える企業を目指し、すでに8割の社員が生成AIパスポートを取得しています。
ナレフルチャットは、こうした自社でのAI実践から得たノウハウをプロダクト化した、法人向け生成AIプラットフォームです。CLINKSが長年培ってきたITアウトソーシングの知見とAI活用の実践経験を掛け合わせた、同社のAI事業の中核を担うサービスとして位置づけられています。
このサービス・事業を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
私たちが企業への生成AI導入を支援する中で、多くの企業が抱える共通の課題に直面しました。それは、生成AIの利用環境を整えるだけでは、社員全体での活用が進まないという現実です。
企業が生成AIを導入しても、実際に使いこなせるのは一部のリテラシーの高い社員に限られ、大多数の社員にとってはハードルの高いツールのまま終わってしまう。この個人間の活用度の差こそが、AI導入の効果を最大化できない根本的な要因だと気づいたことが、ナレフルチャット開発の出発点でした。
この課題を解決するには、単なる利用環境の提供ではなく、誰もが生成AIの魅力や可能性を自然に体感できる仕組みが必要だと考えました。そこで、専門知識がなくても質の高いプロンプトを作成できる自動生成機能や、作成したプロンプトを社内で共有できる機能を実装。加えて、初心者向けの動画コンテンツも用意し、ツールを使いながら自然と学べる環境を整えることで、AI・ITリテラシーを問わず誰もが活用できるサービスを目指しました。
ナレフルチャットが解決する課題とターゲット
貴社のサービスが解決しようとしている課題について教えてください。
生成AIの活用度は、企業によって大きな差が生まれています。多くの企業が、興味はあっても活用方法が分からず全社展開が進まない利活用の壁、機密情報の入力可否や利用範囲の管理に不安を抱えるセキュリティの課題、そして利用率が読めないまま導入することで実質コストが上昇し費用対効果が見えなくなるライセンス費用の課題という3つの課題に直面しています。
ナレフルチャットは、これら3つの課題にそれぞれ対応するアプローチで応えます。
利活用の壁には、特許取得のプロンプト自動生成機能で対応します。AIが利用者の意図を汲み取り最適なプロンプトを自動作成するため、専門知識がなくても誰もが質の高い活用をすぐに行えます。さらに作成したプロンプトを組織内で評価・共有できる仕組みにより、個人のノウハウが会社全体の資産として蓄積されていきます。
セキュリティの課題には、学習に利用されないAPI利用に加え、SSO・IPアクセス制限・機能ごとの利用制限など、企業利用に必要な統制機能を標準搭載することで対応します。ISMS認証(ISO27001)およびISMSクラウドセキュリティ認証(ISO27017)を取得した企業による運営や、第三者機関の脆弱性診断で最高評価 A評価を獲得している点も、安心して導入いただける根拠です。
ライセンス費用の課題には、ユーザー数無制限の企業単位の定額料金プランで対応します。利用者数に応じて費用が増加する一般的な料金体系とは異なり、月額40,000円〜で全社員が利用できるため、利用率にかかわらず費用対効果を最大化しながら全社展開を進めることができます。
このように、ナレフルチャットは3つの課題それぞれに対応するアプローチによって、生成AI導入における構造的な問題を解決します。
どのような企業がターゲットですか?
業種を問わず幅広い企業に対応していますが、特に総務・情シスなどで社内問い合わせ対応の工数に悩む企業に強くおすすめできます。ナレフルチャットは専門知識がなくてもノーコードでRAGを構築でき、社内マニュアルやFAQをアップロードするだけでAIエージェントが完成。独自のRAGリンク機能により社内共有も手軽で、問い合わせ対応AIチャットボットをすぐに立ち上げることができます。実際の活用事例でも、社内問い合わせをエージェント化したことで問合せ数が60%削減されており、生成AIを導入したいが社員のITリテラシーにばらつきがある、セキュリティ面が不安で踏み出せていないといった課題を持つ企業にも安心してお使いいただけます。
サービスの特徴と提供の流れ
サービスの特徴・強みを教えてください。
ナレフルチャットは、全員活躍AIをコンセプトに掲げています。生成AI初心者からヘビーユーザーまで、社員全員がAIをハイレベルに使いこなせる状態を作ることを目指しており、そのために次のような機能を提供しています。
一つ目は、マルチAIモデル対応です。ChatGPT・Claude・Geminiなど、特徴の異なる複数の最新AIモデルを一つのプラットフォームで利用できます。長文の企画書作成にはClaude、複雑な分析や戦略立案にはGeminiなど、用途別におすすめのモデルを自動で選択する機能も提供しているため、AIに詳しくない社員でも、今どのモデルを使えばいいか分からないと迷うことなく、最適なモデルを選んで使いこなすことができます。
二つ目は、プロンプトの自動生成・社内共有です。AIが利用者の入力内容から意図を汲み取り、最適なプロンプトを自動で作成・改善してくれる機能です。生成AI初心者がまず躓きやすい、何をどう指示すればいいか分からないという壁を解消し、専門知識がなくても質の高いアウトプットをすぐに得られます。さらに、作成したプロンプトを社内で共有できるため、一人が見つけた良い使い方が組織全体に広がっていく仕組みになっています。
三つ目は、ノーコードでのAIエージェント・RAG構築です。社内マニュアルやFAQなどのドキュメントをアップロードするだけで、専門的な開発知識がなくてもノーコードでAIチャットボットを作成できます。作成したAIチャットボットは専用のURLリンクで簡単に共有できるので、社内ポータルに貼るだけで全社員がすぐに利用開始できます。
四つ目は、テキスト指示だけで高品質なスライドを生成できる機能です。テキストで指示するだけで、AIが高品質なスライドを自動生成します。デザインパーツはそれぞれ単独の図形データとして出力されるため、AIが作った土台をそのまま使うだけでなく、人力での最終調整・仕上げも柔軟に行えます。
これらの機能はすべて、商談や導入支援の現場でお客様の課題を丁寧に伺う中で見えてきた、生成AI初心者が躓きがちなポイントや、ビジネスシーンでAIを活用する上での細かな配慮を一つひとつ解消するために生まれたものです。誰か一人が使いこなせるだけでなく、組織の全員がAIの恩恵を受けられる状態を作ること。それがナレフルチャットの一貫した強みです。
サービス提供の流れを教えてください(問い合わせ〜提供完了まで)
製品サイトからお問い合わせ・利用申込を行っていただくことで、スムーズに生成AIの活用を始められます。お申し込み後は、通常1営業日以内にシステム管理者のアカウントを発行します。他の従業員のアカウントも、管理画面からいつでも簡単に追加できます。
アカウント発行後は、すぐにナレフルチャットへログインして全ての機能を利用できます。申込初月は月額基本料金が無料で、最大500クレジット(650万文字相当)の範囲で実際の業務にお試しいただけるため、本格導入前に自社での活用イメージや効果を確認できます。
使い方についても、オンライン説明会を定期的に開催しているため、初めて生成AIを利用する方でも安心して始められます。必要に応じて、初心者向けに生成AIの基礎から実務活用スキルまでをオンラインで習得できる生成AIリスキリング研修や、導入支援サービスもご利用いただけます。専任担当者が社内展開方法の提案やAI活用相談など3ヶ月・全4回のサポートを提供する伴走サポート、お客様に最適なエージェント構築を代行するRAGセットアップなどを用意しています。
トライアルで効果を確認した後は、そのまま正式利用へ移行できます。トライアル中に作成したデータや設定も引き継がれるため、改めて環境を作り直す必要はなく、そのまま本格的な業務活用をスタートできます。
料金体系について、公開できる範囲で教えてください。
ナレフルチャットは、企業単位のシンプルな料金体系が特徴です。
スタンダードなプロプランは月額40,000円(税抜)から利用可能で、利用人数は無制限。ChatGPT・Gemini・Claude・Grok・Perplexityなどすべての主要AIモデルが利用でき、議事録・画像生成にも対応しています。ユーザー数に応じて費用が増加する他社サービスとは異なり、全社員が安心して使える定額制を採用しています。
プランに応じた量のクレジット(ナレフルチャット内の専用通貨)が付与され、そのクレジットを消費することで生成AIとのチャット、スライド生成、議事録など様々な機能が利用できます。プランによる基本的なAI機能の利用可否はありません。Biz-プランではセキュリティに特化した様々な管理機能がご利用いただけます。
導入事例と実績
印象に残っている導入事例を教えてください。
大阪商工会議所様では、生成AI利用ガイドラインを策定していたものの、機微情報を入力できない不便さや、各自が個別に外部サービスを利用する野良AI化によるセキュリティリスクが課題でした。組織単位課金・入力情報が学習されない設計のナレフルチャットを導入し、200名強にアカウントを配布。現在約120名が実利用しています。若手による活用事例の社内共有や勉強会を通じて浸透が進み、議事録作成にかかる残業時間が削減されたほか、利用状況の可視化により管理・報告の精度も向上しました。
【ナレフルチャット導入事例】野良AIを一掃し、組織全体で安全に使える環境へ|大阪商工会議所が実現した生成AI活用の全組織展開
https://www.knowleful.ai/case/osaka-cci/
株式会社セゾンファンデックス様では、社員が個々に生成AIを利用しガバナンスが効かない状態や、利用ハードルの高さによる浸透の遅れが課題でした。人数に依存しない課金体系と、入力情報が学習に利用されないセキュリティ面を評価しナレフルチャットを導入。約350名中263名(利用率75%)が利用し、半数以上が毎日活用しています。計4回の勉強会実施により初回だけで70名が参加するなど高い関心を獲得。Pythonプログラム作成支援で開発工数を100時間削減、情報収集・調査業務では時間を80%削減するなど、具体的な成果が生まれています。
【ナレフルチャット導入事例】7割超が使い続ける組織へ|事例共有と体験学習で実現した不動産金融企業の生成AI浸透策
https://www.knowleful.ai/case/fundex/
導入実績について教えてください。
ご利用企業数は1000社、ユーザー数は60,000です。直近での継続率は、98.3%となっています。IT、インフラ、製造業、商社、非営利団体など様々な業種でご利用いただいています。
今後の展望とメッセージ
今後の展望と、サービスを通じて実現したい未来について教えてください。
ナレフルチャットはAIチャットサービスから、企業が気軽に活用できる総合AIプラットフォームへと進化を遂げている最中です。日々急速に進化するAI技術がある一方で、それを業務に十分活用できていない企業はまだ多く存在します。私たちはこの課題に正面から向き合い、AI・ITリテラシーを問わず、誰もがAIの恩恵を享受できる環境の実現を目指しています。
企業への生成AI導入は今、どうやって導入するかというフェーズから、導入後、どう活用してもらうか。どうすれば社員が実際に使ってくれるかを考えるフェーズへと進んでいます。私たちはこうした変化にしっかり向き合いながら、全員活躍AIというコンセプトのもと、すべての企業・社員がAIをハイレベルに活用できるよう、サービスの改善と伴走サポートをこれからも続けていきます。
AI導入を検討中の企業担当者の方に向けて、メッセージをお願いします。
生成AIの導入を検討する際、まず考えていただきたいのは、完璧を目指さずにまず使ってみるということです。当社の調査でも、多くの企業がリテラシー不足、活用イメージが湧かないといった理由で導入をためらっていますが、実際に使ってみなければ自社にとっての活用イメージは見えてきません。まずは日常業務の中の小さなタスク(メール作成や議事録、資料作成など)から試していただくことをおすすめします。
実際に導入いただいた企業様からは、これまでは一部の従業員が興味本位で触れる程度だったものの、会社として公式にツールを提供したことで、生成AIを業務で活用する心理的ハードルが大きく下がった、隣の席の人が便利に使っているのを見て、自分も試してみるという自然な広がり方が始まった、といったお声もいただいています。ある企業様では、導入2か月後には社内の8割の社員が日常的に生成AIを活用するようになり、困ったときはナレフルに聞くという文化が根付いた事例もあります。
AI導入はツールを入れて終わりではなく、現場に浸透させ、使い続けてもらうことが本当のスタート地点です。一部の詳しい社員だけが使う状態では、全社的な効果は生まれません。プロンプトのノウハウを個人の中に留めず、組織で共有・蓄積していく仕組みを最初から意識しておくことが、投資対効果を最大化するポイントです。まずは小さな一歩から、社員みんなが自然にAIに触れられる環境を作ることから始めてみてください。
最新AIモデルへの対応
いち早く皆様にAIの進化を実感してもらうために、各AIプロバイダの最新モデルがリリースされてから、1週間以内にはナレフルチャットでも提供を開始できるように心掛けています。生成AIの進化の勢いはとどまることを知らず、我々も全力で業界の動向を追いかけています。皆様も、最新のAIの性能がどうなっているのか、ぜひナレフルチャットで体感してみてください。
CLINKS株式会社の企業概要

| 会社名 | CLINKS株式会社 |
|---|---|
| 代表者 | 河原浩介 |
| 所在地 | 東京都中央区八丁堀1-10-7 |
| 設立 | 2002年 |
| 事業内容 | 受託開発500本超・契約企業600社超の実績を持ち、法人向け生成AIプラットフォーム ナレフルチャット等を提供するIT企業。 |
| サービス名 | ナレフルチャット |
| 公式サイト | https://www.clinks.jp/ |
編集後記
生成AIの導入で最も難しいのは、ツールを入れることではなく、一部のリテラシーの高い社員に偏りがちな活用を組織全体へ広げることです。高野拓郎氏が語る個人間の活用度の差という視点は、自社でのAI実践から得た実感に裏打ちされており、特許取得のプロンプト自動生成や社内共有の仕組み、ノーコードでのRAG構築といった機能が、いずれもこの差を埋めるために設計されている点が印象的でした。
料金面でもユーザー数無制限の定額制を採り、利用率にかかわらず全社展開を進めやすくしている点は、まず使ってみることのハードルを下げる設計と言えます。大阪商工会議所様やセゾンファンデックス様の事例のように、勉強会や社内共有を通じて浸透を図る運用支援まで含めて検討したい企業は、まず小さなタスクから試すところから始めてみてはいかがでしょうか。





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