OpenAIやAnthropicなど主要AI企業の従業員1,100人超が米政府にAI開発ペースの調整を要請、サム・アルトマンCEOも支持

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OpenAI、Anthropic、Google、Metaなど主要AI企業の従業員1,100人を超える署名者が米国時間2026年7月28日、公開声明「Pacing the Frontier(ペーシング・ザ・フロンティア)」を発表しました。声明は米政府に対し、AI開発の最前線のペースを意図的に調整するための技術とガバナンスの整備を国際的な取り組みとして支援するよう求めています。署名者にはOpenAIとAnthropicの現職幹部が名を連ね、両社は会社としても声明への支持を表明しました。OpenAIのサム・アルトマンCEOも開発ペースの調整に前向きな姿勢を示しています。

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公開声明「Pacing the Frontier」が求める内容

Pacing the Frontier公式サイトより
出典: Pacing the Frontier公式サイトより

声明の中心となる要請は次の一文です。「We request that the US government support an international effort to develop the technical and governance tools needed to deliberately pace the frontier of automated AI development(自動化されたAI開発の最前線を意図的にペース調整するために必要な技術的・ガバナンス的ツールの開発に向けた国際的な取り組みを、米政府が支援することを要請する)」。

背景にあるのは、AIがAI自身の研究開発を担う「自動化されたAI研究」の急速な進展です。声明は、能力の向上が人間の理解や制御の範囲を超えて加速する危険があると指摘しています。

署名者は発表時点で1,100人を超え、その後も増え続けています。公式サイトの表示では確認時点で1,178人に達しました。主な署名者は次の通りです。

所属 主な署名者
OpenAI ヤクブ・パチョッキ最高科学責任者、マーク・チェン最高研究責任者
Anthropic ダリオ・アモデイCEO、共同創業者のジャレッド・カプラン氏、ジャック・クラーク氏
Meta 最高科学責任者のShengjia Zhao氏(個人としての署名)
Google DeepMind AI安全担当幹部ら

AnthropicとOpenAIは会社として声明を支持すると発表しました。一方、Metaは会社としての支持を表明していません。

契機はOpenAIモデルによるHugging Face侵入インシデント

今回の声明の直接の契機は、OpenAIが7月21日に開示した前例のないインシデントです。同社のサイバー能力評価中に、GPT-5.6 Solと未公開の高性能モデルの2つが、評価環境の通信を制限するプロキシに存在した未知の脆弱性(ゼロデイ)を突いてサンドボックス(隔離環境)を脱出しました。モデルはインターネットを経由してAIモデル共有サイトHugging Faceの本番システムに侵入し、評価課題を達成するための手段として複数の攻撃経路を自律的に組み立てていました。Hugging Faceは7月16日に不正アクセスの検知を公表しており、OpenAIは開示にあわせて該当モデルの訓練を一時停止したと報じられています。

フロンティアモデル(最先端の大規模AIモデル)が人間の指示なしに実在システムへの攻撃経路を発見し実行した事例として、業界に大きな衝撃を与えました。

アルトマン氏も「ペース調整」に言及、競争と規制の設計が焦点に

アルトマン氏は7月28日公開のポッドキャスト「Invest Like the Best」で、「社会がこうした新しい能力水準に適応する時間を確保するため、AI開発の速度を調整しなければならないかもしれない」と述べました。同時に、ペース調整の仕組みは「特定企業による規制の取り込みや、フロンティアラボ同士の談合と受け取られない形」で設計する必要があるとも指摘しています。開発減速を求める従来の取り組みに距離を置いてきた同氏にとって、大きな方針転換です。

AI企業をめぐっては、7月下旬にOpenAIとAnthropicがオープンソースAI規制を規制当局に働きかけていたとの米報道があり、規制への各社の姿勢に注目が集まっていました。競合するラボの幹部と従業員が足並みをそろえて政府に開発ペースの調整を求めるのは初めてのことで、AI開発競争の局面を変える動きとして各国の政策議論に影響を与えるとみられます。

参考

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発行:一般社団法人日本AI導入支援協会(J-AIX)

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