The New York Timesは米国時間2026年7月25日、OpenAIとAnthropicがオープンソースAIへの規制を求めてワシントンの規制当局に水面下で働きかけていると報じました。その前日の7月24日には、NVIDIAやMicrosoft、Metaなど25社が、オープンウェイトモデル(モデル本体のデータであるウェイトを公開し、誰でもダウンロードして利用・改変できるAIモデル)への広範な規制に反対する書簡「Open Weights and American AI Leadership」を公表しています。署名企業は翌日までに50社に倍増し、OpenAIとGoogleも後から加わった一方、AnthropicとAmazonは署名していません。
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書簡「Open Weights and American AI Leadership」にNVIDIAやMicrosoftら50社が署名

書簡は7月24日付で公表され、当初の署名企業はNVIDIA、Microsoft、Meta、IBM、Hugging Face、Mistral、Mozilla、Palantir、Perplexity、Replit、Dell Technologies、ServiceNow、ベンチャーキャピタルのAndreessen HorowitzやY Combinatorなど25社でした。米Forbesによると、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがX上で書簡を紹介した投稿は約1,100万回表示され、翌25日までに署名は50社に倍増しました。この拡大局面でOpenAIとGoogleも署名に加わりましたが、AnthropicとAmazonは加わっていません。
書簡は、オープンウェイトモデルがスタートアップや大学、公共機関がゼロからモデルを訓練せずに高度なAIを利用する基盤になると位置づけ、「オープンであることはAIの安全性とセキュリティへの最も重要な道のひとつかもしれない」と主張しています。政策面では、スタートアップ向けの計算資源の拡充と、オープンモデルへの時期尚早な規制を避けることを求めました。また、他社モデルの出力を使って自分のモデルを学習させる「蒸留」という手法について、違法な知的財産の窃取とは区別すべき正当な技術だと明記しています。
背景にMoonshot AIのKimi K3をめぐる対中規制の検討
書簡の背景には、米政権による中国製オープンウェイトモデルへの規制検討があります。中国Moonshot AIが公開したオープンウェイトモデル「Kimi K3」の性能が想定を超えていたことから、7月22日にはホワイトハウスのマイケル・クラツィオス科学技術政策局長が、同社が「米国モデルに対する大規模な蒸留を行っている」と非難しました。Kimi K3は、Anthropicが7月1日に公開したばかりのモデル「Fable」を蒸留して作られたのではないかという疑いが持たれています。スコット・ベッセント財務長官も、中国企業が組織的な蒸留を続けるなら「制裁とエンティティリスト指定が選択肢に上る」と警告しました。
こうした流れに対し業界側は、中国製かどうかを問わずオープンウェイトモデル全体を対象とする規制に反発しています。Replitのアムジャド・マサドCEOは「中国のオープンモデルを禁止することは、オープンモデル全般を禁止するのと同じだ」と述べ、規制は個別の違法行為に絞るべきだと主張しました。
OpenAIとAnthropicの水面下のロビー活動と公の発言のずれ
The New York Timesの報道は、クローズドモデルを主力とするOpenAIとAnthropicの2社が、公の場での発言とは別に、規制当局へオープンソースAIの制限を働きかけていたと指摘するものです。OpenAIのサム・アルトマンCEOは公にはオープンソース支持を表明しており、報道はこのずれを問題にしています。一方Anthropicのダリオ・アモデイCEOは、オープンソースをめぐる議論を「レッドヘリング(本質から目をそらす論点)」と呼び、AIでは他の分野と同じようには機能しないとの見方を示してきました。
米CNBCによると、両社のロビー活動費は2026年第2四半期に過去最高を更新しています。Anthropicは197万ドルで前四半期比26%増、OpenAIは120万ドルで約18%増でした。安全性を掲げた規制強化が結果として認証対応の体力がある大手に有利に働き、スタートアップやオープンソース開発者を締め出す「規制の虜」につながるという懸念も出ています。両社をめぐる議論の日程は次の通りです。
| 日付(米国時間) | 出来事 |
|---|---|
| 7月22日 | ホワイトハウスがMoonshot AIの蒸留を非難、財務長官が制裁を示唆 |
| 7月24日 | 25社がオープンウェイト支持書簡を公表 |
| 7月25日 | 署名が50社に倍増、OpenAIとGoogleが追加署名 |
| 7月25日 | The New York TimesがOpenAIとAnthropicのロビー活動を報道 |
参考
- Open Weights and American AI Leadership(Microsoft)
- As US weighs response to Chinese AI, industry urges against broad open-weight restrictions(TechCrunch)
- Treasury threatens sanctions after White House claims Moonshot distilled Anthropic’s Fable(TechCrunch)
- Huang’s Open Weights Letter Doubled To 50 Without Amazon And Anthropic(Forbes)
- OpenAI, Anthropic boost lobbying as legacy tech and defense spending slips(CNBC)
- MicrosoftやNVIDIAなど、オープンウェイトAI支持の書簡発表(ITmedia)
- OpenAI and Anthropic quietly lobby Washington(Techmeme、The New York Times報道まとめ)





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