【2026年】介護業のAI活用事例と導入状況は?費用相場・使える補助金・よくある失敗まで解説

介護業のAI活用事例と導入状況
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介護業界では、高齢化の進行と介護職員の慢性的な不足が同時に進んでおり、現場の負担をどう軽減するかが経営の最重要テーマになっています。夜間の巡視、記録の作成、ケアプランの立案、家族対応など、職員の時間を圧迫している業務のなかには、AIや見守りセンサーで肩代わりできる領域が広がってきました。一方で「現場のスタッフが使いこなせるか」「補助金はどう活用できるのか」といった不安も根強く残っています。

本記事では、介護業におけるAI導入の現状から、活用領域と具体的な事例、導入費用の目安、失敗パターン、使える補助金、そして導入ステップまでを整理しました。介護事業所の経営者・管理者・DX推進担当の方が、自施設での次の一手を検討する参考にしていただければ幸いです。

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目次

介護業のAI導入の現状

介護業界は、必要な人材と実際に確保できる人材のギャップが年々拡大しています。厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計では、2026年度に必要な介護職員は約240万人とされ、2022年度からの4年間で約25万人、年間6.3万人のペースで確保する必要があります。2040年度には約272万人が必要となり、2022年度からの18年間で約57万人の増員が求められる見通しです(出典:厚生労働省)。人材確保の難しさから、利用者は増えるのにサービスを提供できる職員が足りないという構造的な課題が続いています。

こうしたなかで、見守りセンサーやAI音声入力、介護記録の自動化、ケアプラン作成支援といった介護テクノロジーの導入が、夜勤体制や生産性向上加算の要件とも結びつき、経営判断として現実味を帯びてきました。特別養護老人ホームでは見守り機器の全床導入で夜間人員基準が緩和される制度が設けられ、2024年の介護報酬改定では「生産性向上推進体制加算」が新設されています。テクノロジーの導入が、加算の取得・職員配置の最適化・採用競争力に直結するようになってきた点が、近年の大きな変化です。

大手事業者ではSOMPOケアやベネッセスタイルケアが介護特化型の生成AIを本格運用しはじめています。中小の介護事業所でも、ChatGPTやClaudeなどの生成AIを使った記録文書の下書きや家族向け連絡文の作成から始めるのが取り組みやすい入口です。そのうえで、見守りセンサーや介護記録ソフトといった専用ツールを補助金を活用して段階的に導入していく進め方であれば、無理のない投資で着手できます。

介護業のAI活用領域と事例

介護業におけるAIの活用領域は、業務プロセスに沿って以下の5つに整理できます。

見守り・異常検知 対象業務:夜間巡視・離床/転倒検知
活用するAI技術:センサー・画像認識
導入の難易度:中(居室ごとの機器設置と通信環境が必要)
介護記録・音声入力 対象業務:ケース記録・バイタル記録
活用するAI技術:音声認識・自然言語処理
導入の難易度:低〜中(既存の介護記録ソフトと連携)
ケアプラン支援 対象業務:アセスメント・プラン素案作成
活用するAI技術:生成AI・機械学習
導入の難易度:中(過去の記録とアセスメントデータが必要)
熟練ノウハウの共有 対象業務:BPSD対応・ケア方針判断
活用するAI技術:生成AI・データ分析
導入の難易度:中〜高(自社ノウハウの蓄積が前提)
書類作成・家族対応 対象業務:報告書・連絡文・議事録
活用するAI技術:生成AI(LLM)
導入の難易度:低(ChatGPT等の生成AIで対応可能)

以下では、各領域でAIが解決する課題と導入判断のポイントを整理しながら、具体的な事例を紹介します。

見守り・異常検知

夜間の巡視は、介護施設の職員にとって身体的・心理的な負担が大きい業務です。少人数の夜勤で多数の居室を定期的に見回り、異常がないかを目視で確認する運用が長らく続いてきました。見守りセンサーは、ベッドや居室に設置した機器が睡眠・離床・体動を常時モニタリングし、異常の兆候を検知した時点で職員に通知する仕組みです。巡視の頻度を下げつつ、必要なときだけ居室に向かう運用に切り替えられます。

導入にあたっての判断ポイントは、居室環境との相性と、検知の閾値をどう設計するかです。誤検知が多すぎるとアラートへの対応でかえって負担が増し、閾値を緩めすぎると見守りの精度が落ちます。ベンダーの導入実績と、現場での調整サポートが受けられるかを確認しておきましょう。特別養護老人ホームでは、見守り機器を全床に導入することで夜間人員配置基準の緩和対象となる制度もあり、投資対効果の試算に含められます。

結いホーム宝塚:夜勤巡視時間を3時間20分から50分に短縮

社会福祉法人聖隷福祉事業団が運営する特別養護老人ホーム結いホーム宝塚は、居室ベッドに見守りセンサーを導入しました。

導入前の課題 夜勤職員による定期巡視は、入居者の睡眠を妨げる懸念と、職員の身体的負担の両面で課題があった
AI導入の仕組み 居室ベッドに見守りセンサーを設置し、睡眠・体動・離床の状態を常時モニタリング。異常兆候を検知したときのみ職員が居室に向かう運用に切り替えた
導入後の効果 1回の夜勤における巡視時間を約3時間20分から約50分まで短縮。入居者の睡眠確保と職員の負担軽減を両立した

出典:聖隷福祉事業団 Inspire「結いホーム宝塚の見守りセンサー導入事例」

介護記録・音声入力

介護記録の作成は、職員の勤務時間のうち大きな割合を占める業務です。1日の業務のあと、休憩時間や勤務終了後に記録をまとめる運用が続くと、残業や持ち帰りにつながります。AI音声入力は、ケアの合間にスマートフォンやタブレットに話しかけるだけで、発話内容を自動でテキスト化し、介護記録ソフトに取り込む仕組みです。手書きやキーボード入力の時間を減らし、介護そのものに充てられる時間を取り戻せます。

導入の判断ポイントは、現場で発生する専門用語(褥瘡、移乗、誤嚥など)への認識精度と、周囲の音がある環境下での認識安定性です。現時点で日本語の認識精度が100%になる音声入力はありません。完全自動化ではなく、AIがテキスト化した内容を職員が短時間で確認・修正するワークフローを前提に運用設計することが現実解です。

さくらコミュニティサービス:AI音声記録で業務負荷を削減

さくらコミュニティサービスは、AI音声入力と介護記録ソフトを組み合わせた記録自動化に取り組んでいます。

導入前の課題 記録作成に職員の時間が取られ、対人ケアに充てる時間が圧迫されていた
AI導入の仕組み ハンズフリーの音声入力AIで介護記録を作成し、記録ソフトへ自動転送する運用に転換
導入後の効果 記録業務の負荷が大きく削減され、職員が対人ケアに集中できる時間が増加した

出典:リクルートワークス研究所「さくらコミュニティサービス 記録自動化事例」

ケアプラン支援・熟練ノウハウの共有

ケアプランの作成やBPSD(認知症の行動・心理症状)への対応は、ケアマネジャーや熟練職員の経験に依存する度合いが高い業務です。経験の浅い職員が担当すると、アセスメントの精度や対応の判断にばらつきが生じます。生成AIと社内データを組み合わせたシステムを使うことで、過去の記録や施設独自のノウハウを参照しながら、経験の浅い職員でも一定水準の判断ができる環境をつくれます。

導入の判断ポイントは、自施設にどれだけのノウハウが文字化・記録化されているかです。ベテラン職員の頭の中にあるノウハウを引き出す工程を経ずに外部AIをそのまま使うと、施設の個別事情と合わない助言が返ってきて定着しません。まずは自施設の事例・ケース記録を整備しながら、生成AIで参照できる仕組みを段階的に組み立てる流れが取り組みやすい進め方です。

ベネッセスタイルケア:マジ神AIで熟練ノウハウを共有

ベネッセスタイルケアは、認知症ケアなど専門性の高い職員のノウハウを組み込んだAIシステム「マジ神AI」を介護施設に試験導入しています。

導入前の課題 BPSDの要因分析や予兆検知は、熟練職員の経験に依存しており、経験の浅い職員との判断差が課題だった
AI導入の仕組み 入居者の日々の記録データをAIが分析し、BPSDの要因推定や「いつもと違う予兆」を検知して現場に共有
導入後の効果 経験の浅い職員でも熟練者に近い判断にアクセスできる環境が整い、ケアの質のばらつきを抑える運用に移行した

出典:ベネッセグループ「マジ神AI導入事例」

SOMPOケア:介護特化型生成AI「教えて!KAiGO」

SOMPOケアは、ABEJAの支援を受けて介護特化型生成AIソリューション「教えて!KAiGO」を開発し、第一弾として「教えて!排泄ケア」の提供を開始しました。

導入前の課題 排泄ケアなどの業務にはベテラン職員の暗黙知が多く含まれ、マニュアル化や共有が難しかった
AI導入の仕組み SOMPOケアのマニュアル・介護事例・文献に、現場インタビューで得た暗黙知を加えて学習させた生成AIを構築
導入後の効果 経験豊富な職員の思考をなぞるかたちで現場の相談に応答でき、今後は事故報告書や議事録など記録・帳票業務の自動化への展開を予定している

出典:株式会社ABEJA「SOMPOケア介護特化型生成AI機能構築の支援」

書類作成・家族対応

介護の現場には、職員会議の議事録、家族への連絡文、行政への報告書、研修資料の作成など、定型的な書類業務が数多くあります。ChatGPTやClaudeなどの生成AIは、これらの下書き作成に向いており、月額数千円から試せます。特別な設備投資は不要で、施設長や相談員の手元から始められるため、AI活用の最初の一歩として取り組みやすい領域です。利用者情報を外部に送信しない運用ルールを作り、個人情報を含まない業務文書に限って使うといった範囲設定を行うことで、現場のリスクを抑えながら導入を進められます。

介護業のAI導入にかかる費用の目安

領域別の費用レンジ

介護業のAI・介護テクノロジー導入費用は、対象領域と導入形態によって幅があります。以下は一般的な費用感の目安で、実際の金額は施設規模や契約条件によって変わります。見守りセンサーやAMRのようなハードウェア型の導入は初期費用が中心になる一方、SaaS型の音声入力・記録ソフトは月額課金で初期負担が軽い点が特徴です。自施設の規模や夜勤体制に合わせて、投資の優先順位を整理しておきましょう。

導入領域 費用目安 備考
生成AI(書類作成・相談対応) 月額2,000〜6,000円/人 ChatGPT Plus、Claude Proなど。追加設備は不要
AI音声入力・介護記録ソフト 初期30万〜100万円+月額2万〜10万円 端末・ライセンス数・オプションで変動
見守りセンサー(居室設置型) 1床あたり5万〜20万円+月額 全床導入の場合は補助金対象になりやすい
ケアプラン支援AI 月額5万〜30万円 法人単位のライセンス形態が一般的
介護特化型生成AI(法人向け) 初期数百万円〜 大手法人向け。自社ノウハウを学習させた独自開発

中小介護事業者のコストを抑える進め方

中小の介護事業者であれば、まずは月額数千円で始められる生成AIで書類業務を軽くし、そのうえで補助金を活用して見守りセンサーや介護記録ソフトへ投資するという二段階の進め方が負担を抑えやすい選択肢です。見守りセンサーや介護記録ソフトは後述する介護テクノロジー導入支援事業の補助対象となる場合があり、自己負担を1/4〜1/2程度に抑えられるケースもあります。

費用を比較する際には、ツール本体以外の付帯コストも見落とせません。見守りセンサーであれば設置工事・通信環境の整備・職員研修、音声入力AIであれば端末購入とネットワーク整備が発生します。導入前にこれらを含めたトータルコストで試算し、補助金の対象範囲と照らし合わせておきましょう。

介護業にAIを導入するメリット

夜勤負担の軽減と人員配置の最適化

見守りセンサーによる常時モニタリングは、夜間巡視の頻度を下げ、必要なときだけ居室に向かう運用を可能にします。特別養護老人ホームなどでは、見守り機器の全床導入を条件に夜間人員基準の緩和が認められる制度もあり、人員配置の見直しを通じてコスト改善にもつながります。夜勤職員の身体的・心理的な負担が減れば、離職防止にも波及し、採用競争力の観点でも効いてきます。

記録・書類業務の時間削減と対人ケア時間の確保

AI音声入力と生成AIの組み合わせは、記録・報告書・連絡文といったバックオフィス業務の時間を直接圧縮します。浮いた時間を入居者とのコミュニケーションや個別ケアに振り向けることで、サービス品質と職員満足度の両方を底上げできます。記録の質も同時に安定しやすくなります。

ケアの質のばらつき抑制とノウハウの継承

経験の浅い職員と熟練者の判断差は、介護現場で長年の課題でした。生成AIに自施設のマニュアル・過去のケース記録を学習させると、経験の浅い職員でも熟練者の思考に近い助言を参照できます。ベテラン職員の退職に伴うノウハウの消失リスクを下げ、施設全体のケア品質を底上げする仕組みとして機能します。

介護業のAI導入で失敗する企業の共通パターン

現場への説明不足で反発を招く

経営判断だけでAI導入を進め、現場の職員に事前説明なしでツールを配布すると、「監視されるのでは」「仕事を奪われるのでは」という不安から使われないまま形骸化するケースがあります。導入前に、目的・使い方・期待する業務変化を複数回にわたって現場と共有し、研修と試行期間を確保することが必要です。現場の声を吸い上げる窓口を設けるだけでも、定着率は大きく変わります。

業務フローと合わない運用を続ける

AI音声入力を導入したものの、周囲の音が大きく認識精度が出ず、結局は手書きと音声入力の二重作業になるケースがあります。業務フローのどのタイミングで、どこで、どの端末を使って記録するかを設計せずにツールだけを入れると、こうした失敗が起きやすくなります。導入前に現場のフローを観察し、AIが入る余地と入らない部分を線引きする工程が欠かせません。

専門用語や方言への対応を確認せずに契約する

介護現場には褥瘡・移乗・誤嚥といった専門用語や、地域独自の言い回しが多く含まれます。これらに対応していない音声入力ソフトでは、修正作業が増えて時間削減効果が打ち消されます。契約前に、自施設で頻出する用語を使った試行を行い、精度を確認しておく必要があります。ベンダーが学習データを調整できるかどうかも重要な判断材料です。

補助金の要件を後から確認して対象外になる

介護テクノロジー導入支援事業をはじめとする補助金は、対象機器・対象事業者・申請時期が細かく定められています。機器を購入してから申請を検討すると、対象外の製品や申請時期を過ぎた案件で補助が受けられなくなります。導入検討の初期段階で都道府県の補助金要綱を確認し、対象となる機器・要件を把握したうえで契約を進めるのが安全です。

介護業のAI導入に使える補助金・助成金まとめ

介護業のAI・介護テクノロジー導入には、国と都道府県の補助金を活用できます。主な制度を整理します。

介護テクノロジー導入支援事業 所管:厚生労働省(都道府県基金)
対象:介護サービス事業者
補助率:事業内容に応じて設定
活用場面:見守り機器・介護ソフト・インカム・通信環境整備等
デジタル化・AI導入補助金 所管:経済産業省・中小企業庁
対象:中小企業・小規模事業者
補助率:1/2〜4/5
活用場面:クラウド型介護記録ソフト・AIチャットボット等
ものづくり補助金 所管:中小企業庁
対象:中小企業・小規模事業者
補助率:1/2〜2/3
活用場面:AIを活用したサービス開発・業務プロセス改善
人材開発支援助成金 所管:厚生労働省
対象:雇用保険適用事業主
補助率:最大75%(中小企業)
活用場面:AI・DX活用のための職員研修

介護テクノロジー導入支援事業

厚生労働省が都道府県を通じて実施する補助事業で、2025年度からは従来の「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が「介護テクノロジー導入支援事業」に統合されました。見守り機器、移乗支援機器、介護ソフト、タブレット端末、インカム、通信環境整備などが対象で、地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)から財源が配分されています。都道府県ごとに公募時期・要件・補助上限が異なるため、事業所が所在する都道府県の公式ページで最新の要綱を確認することが必要です。

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)

2026年度から名称が変更された国の補助制度です。AI機能を備えた業務ソフトウェアやクラウドサービスが補助対象で、介護業ではクラウド型介護記録ソフト、AIチャットボット、AI-OCR、勤怠管理システムなどが該当します。補助額は1事業者あたり最大450万円で、小規模事業者は賃上げ等の要件を満たすと補助率が4/5まで引き上げられます。AI導入に使える補助金の全体像はAI導入に使える補助金・助成金一覧でも解説しています。

ものづくり補助金

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、介護サービス事業者も対象です。AIを組み込んだ独自サービスの開発や、AIと既存システムを連携させた業務プロセス改善に活用できます。省力化枠では、介護現場の省人化・効率化を目的としたAI・ロボット導入案件と相性がよい設計となっています。

人材開発支援助成金

厚生労働省が所管する助成金で、従業員のスキルアップ研修費用を助成します。「人への投資促進コース」ではAI・データ活用研修、「事業展開等リスキリング支援コース」ではDX推進に伴うリスキリング訓練が対象で、中小企業の経費助成率は最大75%です。AIツールの導入と並行して使いこなせる人材を育てることで、導入後の定着率が高まります。詳細は人材開発支援助成金の詳細解説をご覧ください。AI研修サービスの選び方はオンラインAI研修のおすすめ比較企業向けAI研修の比較も参考になります。

介護業がAI導入を進めるための現実的なステップ

ステップ1:業務の棚卸しと職員の声の収集

最初に、自施設の業務のなかで「時間がかかっている作業」「夜勤で負担が大きい作業」「職員によって差が出やすい作業」を洗い出します。記録業務、夜間巡視、ケアプラン作成、家族対応、行政報告などが候補です。同時に、現場職員にどこで困っているかをヒアリングし、AI導入の優先順位を現場目線で整理します。経営側の都合だけで決めると、導入後の定着に支障が出ます。

ステップ2:生成AIで書類業務から試す

ChatGPTやClaudeなどの生成AIは月額数千円で利用でき、議事録の要約、家族向け連絡文の下書き、研修資料の作成、ヒヤリハット報告書の整理など幅広い業務に使えます。まずは管理者層が1〜2か月試用し、「どの業務で何時間削減できたか」を社内で共有することで、本格導入への理解が広がります。個人情報を含まない業務範囲から始めるのが安全です。

ステップ3:補助金を活用した専用ツールの段階導入

見守りセンサー、AI音声入力付きの介護記録ソフト、ケアプラン支援AIなどは、介護テクノロジー導入支援事業をはじめとする補助金の対象になります。都道府県の公募要綱を確認し、対象機器と申請時期を把握したうえでベンダー選定を進めます。補助金は原則として後払いのため、導入時の資金繰りを別途計画しておく必要があります。

ステップ4:運用定着と加算取得・横展開

ツール導入後は、現場職員への操作研修と業務フローへの組み込みが欠かせません。AIが出した記録やケアプラン素案を誰が確認・修正するかを明文化し、運用ルールとして定着させます。1施設で効果が確認できたら、法人内の他施設への横展開や、生産性向上推進体制加算などの取得を検討します。人材開発支援助成金を活用すれば、AI活用研修の費用も助成対象になります。

まとめ

介護業のAI導入は、見守り・記録・ケアプラン支援・熟練ノウハウの共有・書類業務という5領域で実用段階に入っています。結いホーム宝塚の巡視時間短縮、さくらコミュニティサービスの記録業務削減、ベネッセスタイルケアやSOMPOケアの熟練ノウハウ活用など、公開情報からも具体的な成果が読み取れるようになってきました。ChatGPTやClaudeなどの生成AIであれば月額数千円から、見守り機器や介護記録ソフトも補助金を活用することで中小施設でも取り組みやすい環境が整いつつあります。

一方で、介護の現場は人と人の関わりが中心であり、ツールを入れれば自動的に効果が出る世界ではありません。現場職員への説明、運用フローの設計、専門用語や方言への対応確認、補助金要件の事前チェックといった準備が、定着のカギを握ります。まずは生成AIで書類業務を軽くし、次に補助金を使って見守りや記録の自動化に踏み出すという段階的な進め方が、無理なく着手できる道筋です。

AI JOURNALを運営する一般社団法人 日本AI導入支援協会(J-AIX)では、介護業向けのAI導入相談を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。

参考URL

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