OpenAIがGPT-6 Astraを正式リリース、ARC-AGI-3で62.7%を記録しサイバー能力は初の「Critical」評価に

  • URLをコピーしました!

OpenAIは2026年9月3日(現地時間)、新しいフラッグシップモデル「GPT-6 Astra」を発表しました。人間には解けてAIには解きにくい未知のゲームを攻略する抽象推論ベンチマーク「ARC-AGI-3」で62.7%を記録し、プレジデントのGreg Brockman氏は「AGI時代へようこそ」と宣言しました。一方で、サイバー攻撃に関わる能力がOpenAIの安全指針「Preparedness Framework」で初めて最高リスクの「Critical」に分類され、能力の高さと安全性懸念の両面で議論を呼んでいます。

運営者情報
AI JOURNALは一般社団法人 日本AI導入支援協会が運営する、日本企業のAI活用支援を目的としたメディアです。記事制作にあたっては、経済産業省「AI事業者ガイドライン」をはじめとする公的機関の公表情報等を参考にしています。内容の正確性には十分配慮していますが、誤りや更新漏れがある場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。掲載情報は公開日時点のものであるため、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

【日本AI導入支援協会からのお知らせ】 昨今、補助金・助成金の不正受給を持ちかける悪質な業者が増加しています。補助金・助成金の不正受給にご注意ください →

目次

GPT-6 Astraの提供範囲と料金

ARC Prize公式ブログより
出典: ARC Prize公式ブログより

GPT-6 Astraは発表当日から一部の組織に提供が始まり、数日中にChatGPTの有料プラン(Plus、Pro、Business、Enterprise)、OpenAI API、AWSでも利用可能になる予定です。API料金は入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルで、AnthropicのClaude Fable 5.1と同水準に設定されています。

ソフトウェア開発やコンピュータ操作の性能も引き上げられており、コンピュータ操作ベンチマークのOSWorld 2.0では72.6%を記録しました。数学研究では、素数の間隔に関する上界を240から186に改善する成果も報告されています。

「AGI時代」の主張とARC-AGI-3スコアの読み方

ARC-AGI-3を運営するARC Prize財団の公式ブログによると、GPT-6 Astraのスコアは計測条件によって大きく変わります。標準条件(Standardハーネス)では最高62.7%(計測コスト26,098ドル)、OpenAI独自の最適化を使う条件(Provider Adapterハーネス)では最高99.9%(同18,817ドル)で、いずれも過去最高です。Provider Adapterはリクエスト間で推論の内部状態を保持し、過去の作業を再利用できる仕組みで、99.9%という数字はこの優遇条件を前提としています。行動の効率でも人間を上回っており、96%のレベルで中央値の人間テスターより少ない行動数で攻略し、平均で51.7%行動数が少なかったとしています。

Brockman氏は「AGIを定義づける明確な瞬間は存在しない」と認めつつ、段階的な移行が起きていると説明しました。ただし外部評価が全て自己評価と一致しているわけではなく、評価機関Artificial AnalysisのIntelligence IndexではAstraは61点で、Claude Fable 5.1の66点を下回っています。

サイバー能力は初のCritical評価、安全対策と懸念

Preparedness Frameworkのサイバー分野でCriticalと分類されたモデルはGPT-6 Astraが初めてです。攻撃コード生成ベンチマークのExploitBenchで100%(前モデルGPT-5.6 Solは78.5%)、より実践的なExploitGymで42.4%(同30.3%)を記録し、評価の過程では未知のゼロデイ脆弱性(修正パッチが存在しない欠陥)2件を実際に発見して悪用できたと報告されています。

OpenAIは対策として、提供版では脆弱性の実証コード作成を当面拒否する制限を設け、本番環境でも不正な挙動を検知すると自動停止する監視を導入しました。あわせて、上下水道、電力網、地方政府、金融機関などの防御側を支援するプログラム「Daybreak」に10億ドル規模を投資すると発表しています。

懸念として残るのが思考過程の監視のしにくさです。GPT-6 Astraは「opaque recurrence」と呼ばれる、言語化されない内部状態で推論を進める手法を採用しており、人間が読める思考の連鎖(Chain of Thought)を通じた監視が従来モデルより難しくなったとOpenAI自身が認めています。同社はこの低下を「深刻に受け止めている」とコメントしました。チーフサイエンティストのJakub Pachocki氏は、能力の高いモデルほど少ない言語トークンで難しいタスクをこなせるため、監視可能性が下がると説明しています。

項目 GPT-6 Astra GPT-5.6 Sol
ExploitBench 100% 78.5%
ExploitGym 42.4% 30.3%
Preparedness Framework(サイバー) Critical Critical未満
GPT-6 AstraのARC-AGI-3スコア(Standardハーネス・推論レベル別)

参考

AI研修・人材育成支援 サービス資料

無料ダウンロード資料

AI研修・人材育成支援 サービス資料

研修プログラムの対象範囲、カリキュラム例、料金、導入までの流れをまとめたサービス資料です。社内のAI活用を体系立てて進めたい企業向けにまとめています。

資料をダウンロードする

発行:一般社団法人日本AI導入支援協会(J-AIX)

  • URLをコピーしました!

author

AI JOURNAL編集部は、一般社団法人日本AI導入支援協会が運営する、AI活用に挑戦するビジネスパーソンを応援するメディアチームです。編集部の運営体制・編集方針はこちら

コメント

コメントする


目次